採集したヤドカリまとめ
アクアユリウス
2017/05/27(土)22:32
(順次更新 2018/1/12 20種類)
採集して水槽に迎えたヤドカリが10種類を超えたので、まとめてみました!
種名と水槽内での写真、プラス主観ですが各ヤドカリの特徴を並べてみます。
どちらかというと採集の感想が主になるので図鑑ではなく日記に書きますが、
飼育方法について自分なりの持論ができたら図鑑にも書くかもしれません。
写真はスマホ画質からデジカメ撮影のものに順次差し替えています。
画質はご容赦を><
[記号などの説明]
※自分が野外で遭遇したときの主観と伝聞を基準にしてます
(なお、採集地はいまのところ全て関東某県内です)
【発見エリア】(発見した場所の地形)
※磯に関しては、位置の高い(浅い)ところから高潮帯(高)~潮間帯(中)~低潮帯(低)
とエリアを書くことにします
(位置の高いところで見られる=潮が大して引かなくても見られる)
【レアリティ】★(そこら中にいる)~★★★★★(なかなかお目にかかれない)
※生息域へのアクセシビリティ(潮目を問わないか、歩いていけるかどうか)も考慮
※★5は多分未記載種とか和名がない種とかそんなん…
【最大サイズ】★(指先に乗る程度)~★★★★★(握りこぶし大)
※貝殻を含めたサイズの印象なので、実際の体長と乖離があるかもしれません
※イメージは★4でペットショップのオカヤドカリくらい
■ホンヤドカリの仲間■
(ホンヤドカリ科ホンヤドカリ属)
いずれも右の鉗脚(ハサミ)が大きいのが特徴です。
今のところホンヤドカリ科はホンヤドカリ属しか見つけてないのでとりあえずこう分けます。
◆ホンヤドカリ
【発見エリア】磯(高~中)・干潟・防波堤
【レアリティ】★
【最大サイズ】★★★
ヤドカリ・オブ・ヤドカリ。
磯で見つかるヤドカリの9割位はコイツじゃないかと思うくらいたくさんいます。
砂浜ではさすがに見かけませんが、干潟でも見かけることがありますし、
消波ブロックの隙間なんかでも見たことがあります。
貝殻があってコイツがいない磯に他の動物なんていないのでは?
……と思うくらい、磯で最初に見つかる動物。
しかし深場に進んでいくと、イソヨコバサミなどは割とどこまで行っても見つかる一方で、
ホンヤドカリは途中からパタリと見つからなくなる気がします。
見た目の特徴はマダラな触角と灰色~緑色の体色ですが、色は意外とバリエーションがあります。
専門家じゃないので観察しながら「コイツラ本当は違う種なのでは…?」と思うことすらも。
飼育は海水生物の中でもおそらく最も簡単なうちのひとつで、
逆にコイツを飼育できない環境では何も飼えないのではとすら思います。
見た目は地味でも動きは結構活発で、水槽内でチョロチョロしてる姿は見ていて飽きません。
◆ユビナガホンヤドカリ
【発見エリア】磯(高~中)・干潟(中~低)・堤防
【レアリティ】★(干潟)~★★★?(磯)
【最大サイズ】★★★
磯ではホンヤドカリがはびこっていますが
干潟だとこっち大多数という印象を受けます。
小さな個体が多いですが、ツメタガイなどの大きめな貝殻に入ってるような個体もいます。
汽水気味で砂がいくらかある場所なら干潟ではなくても良いようで、
自分が飼ってるのも磯に砂が溜まってる場所で見つけた個体です。
変なところでは堤防の波打ち際でも見つけたことも(恐らく海底から上がってきた個体)。
ユビナガのユビというのは歩脚(普通の脚)の指節(爪の節)のことのようで、
そこが長いのでシルエットが特徴的な印象があります。
他のヤドカリは爪先で歩いてるような感じ、ユビナガは膝で歩いてるような感じ…?
体色は黄色~白色のベースに黒い縞模様、そして地味に目が面白くて、
写真で確認してみると細めて寄り目にしてるような感じに見えるのがコミカル。
動きはかなり活発で、いつも水槽内を忙しなく駆けずり回ってます。
自分より大きなヤドカリに喧嘩を売ってはビビって逃げたりなんて光景もしょっちゅう。
また、高いところが好きなようで、よくコードや水槽の角を伝って変なところまで上がってきます。
なんとかと煙は高いところが好きということか…。
◆クロシマホンヤドカリ
【発見エリア】磯(低)
【レアリティ】★★
【最大サイズ】★★?
ユビナガホンヤドカリに似た模様を持つ小さめのヤドカリです。
よく見ると縞模様のパターンが違って、ユビナガは脚を一周するような横縞、
こちらは割とハッキリとした縦方向の縞模様です。
そしてあまりそう紹介されてるのを見ないのですが(個体差があるということかも)、
こちらは背中が結構鮮やかなピンクで、そこが一番分かりやすいポイントかなと思います。
また、黄色みの強いユビナガと比して緑っぽい色の個体が多い上(写真はなんか黄色いな…)、
生息域もだいぶ違っているので、一箇所で両方見つかって迷うということはないと思います)
(こちらは磯、しかも高波がかかりはじめるような沖の方まで行かないと見つけられません)。
一度見つかりはじめると、ホンヤドカリと入れ替わるようにして大量に見つかりはじめる印象。
動きはユビナガと対照的に割と大人しめな印象で、動き回っていることはあるものの、
水槽内の辺鄙なところに一匹で佇んでることも多い気が。
水槽内では苔掃除役として非常に役に立つそうなのですが、
ウチのヤドカリ水槽はあまり苔が生えないので威力は不明…。
◆イクビホンヤドカリ
【発見エリア】磯(中)
【レアリティ】★★?
【最大サイズ】★★★
(執筆中)
◆ホシゾラホンヤドカリ
【発見エリア】磯(中~低)
【レアリティ】★★
【最大サイズ】★★★
上のホンヤドカリたちより少し大きめな(ことの多い)ヤドカリ。
ダークグリーンな身体に毛がわさわさと生えてるのが見た目の特徴。暗くてピントが合わない。
そして赤い触角がかっこいい! かっこいい!!(大事なことなので)
ホンヤドカリと比べると少し深場にいますが、クロシマほど沖にいかなくても見つけられます。
ちょっと深めの磯で、一個だけ貝殻が転がってたら大体このヤドカリかなという印象。
動きは割と活発ながらチョロチョロという感じではなく、パワー系の雰囲気。
少し乱暴な感じも印象もあり、他のヤドカリを脅かしてるのをたまに見かけます。
ガチで襲ってるわけではなさそうですが…。
その一方で、割と浅場に住むヤドカリの割に比較的デリケートなのか、
それより深場のヤドカリと一緒に飼ってても先に死んでしまう印象。
飼ってるうちでは3ヶ月もった子がいたかどうか…。
◆ケアシホンヤドカリ
【発見エリア】磯(中~低)
【レアリティ】★★★?
【最大サイズ】★★★
赤い触角に緑の身体で毛むくじゃら…というホシゾラホンヤドカリにそっくりなヤドカリ。
実は比較的近年まで、ホシゾラさんはこのケアシと同じ種類だと思われてたらしい。
ホシゾラは黒っぽい身体に白い斑点(これが星空ということらしい)、
ケアシは明るい緑に黒い斑点、という違いがあります。
ただ、ハサミが白斑点で脚が黒斑点という個体を何回か見てるので交雑してることもあるのかも?
模様以外は大体ホシゾラと同じ…と自分は理解をしてるのですが、
なにしろ自分の探した範囲では生息数が圧倒的にホシゾラ>>>>>ケアシでして、
飼った数もいまのところ一匹なので比較できないというのが正直なところ。
その一匹については、ホシゾラと比較すると結構長生きしてます。
ちなみに似た見た目のヤドカリとして、さらに他にも
「ヨモギホンヤドカリ」「ヒメケアシホンヤドカリ」がいるようです。コンプリートしたい。
◆ヤマトホンヤドカリ
【発見エリア】磯(低)
【レアリティ】★★★
【最大サイズ】★★★★?
派手な赤白のシマシマ、そして碧色の眼…という異国情緒あふれる外見ですが、
和名と学名(Pagurus japonicus)にも表れてるように、日本が原産らしいです。
生息域の目安はクロシマと同じか更に深場の岩礁帯、だそうで、
実際自分はクロシマを発見したのと同じエリアで見つけました。
結構大きくなる種類でして、磯では握りこぶし大の個体もいてビビりました笑
こんな見た目じゃ磯では目立つのでは…と図鑑を見たときは思ってたのですが、
紅いサンゴモの中に紛れるとなかなかそれと分からなくて、よく出来てるな~と感心します。
実はヤドカリの種類を勉強してから、この子を採集するのが一つの目標でした。満足。
大きくなる割に性格は大人しめな印象で、昼夜問わず岩の下に隠れてることが多いです。
その一方で、敵に見つかると宿に隠れず走って逃げるという一面もあったり…笑
高水温に弱いらしく、夏場はやはり飼育が難しい印象がありますが、
逆に冬場はずっと元気が良いような気がします。
◆アオヒゲヒラホンヤドカリ
【発見エリア】磯(中)
【レアリティ】★★★?
【最大サイズ】★★?
縞といえばいいのか斑点といえばいいのか特徴的な模様と、わさわさした長めの体毛、
そして触角のオレンジと青のコントラストが綺麗な、小型のホンヤドカリです。
ホンヤドカリといえば右手が大きく、大体はそれがとても分かりやすいのですが、
この子はそれが(身体が小さいのもあって)非常にわかりにくく、
最初発見したときはヨコバサミの仲間かと思ってしまいました。
見つけたのは大体ホシゾラホンヤドカリが見つかりはじめるくらいの深さのところで、
大きめの石をひっくり返すとワラワラと…。隠れてる数の割に表側では全く見かけませんでした。
石の裏を見るテクを身に着けないと一生見つからなかったのかも…笑
春~夏にはよく見かけて秋に見つからなくなり、冬にまた見つかりはじめました。
ちょうど(気温から遅れて)水温が高くなる時期にいなくなったのかな…? 高水温苦手な説。
動きを見ているとさほど大人しいというわけでもなく、割と動き回ります。
しかし物陰に隠れるのが好きというのは飼育下でも変わらないようで、
逆さまになって石やフィルターの裏などにくっついてるのをよく見かけます。
おかげで生存確認のときに見つからなくて焦る…!笑
■ヨコバサミの仲間■
(ヤドカリ科ヨコバサミ属・ヒメヨコバサミ属・ブチヒメヨコバサミ属)
ハサミが左右で同じ大きさで、横に開くのが特徴…とのこと。
(他のヤドカリが前後に開くけど、という意味らしいが未だによく分からない)
ホンヤドカリと比べると、体格に比して可愛らしいハサミをしてる気がします。
ハサミで蓋ができないためか、ホンヤドカリたちよりも大きな貝殻を好んでる気が。
◆イソヨコバサミ
【発見エリア】磯(高~低)
【レアリティ】★
【最大サイズ】★★★
磯を代表するヤドカリとして、ホンヤドカリに次ぐ存在。
ホンヤドカリほどではないですが、比較的浅い場所で見つけられます。
数も多く、ホンヤドカリの他にイソヨコバサミを見つけだすのがヤドカリスト(謎)の第一歩?
細い枝のような(青)緑色の脚とイボつきのハサミ、そしてよく見ると綺麗な青い触角が特徴。
標準的なホンヤドカリよりも一回り大きい個体が多いのですが、図体の割にかなり臆病で、
一旦引っ込むとなかなか出てこず、採集中は同定に窮することも多々。
磯で空の貝殻だと思って持って帰ろうとすると中身にコイツが…という事故も割とよくあります。
しかし水槽ではなかなか横柄で、小さいヤドカリから餌を強奪したり、
同格のヤドカリの家を奪い取ろうとしているのをよく見かけます。
離れ目がちな表情もあって少なからぬ狂気を感じたり感じなかったり…笑
◆コブヨコバサミ
【発見エリア】磯(高?)・干潟(自分では未発見)
【レアリティ】★★★?(磯)
【最大サイズ】★★★★?
主に干潟で見つかるヤドカリらしく、ネットで調べても浜名湖の話ばかりが引っかかるのですが、
ユビナガと同じく汽水気味で砂がある程度あれば良いようで、
自分はやはりユビナガと同じく、その条件が揃った磯で見つけました。
黒っぽい体にオレンジ色のライン、トゲトゲのハサミ…
とただでさえ厳つい見た目のヤドカリなのですが、野外で見つかるのは大型のものが多く、
浅場でも見つかるヤドカリとしてはかなり迫力があります。
飼育下ではなかなかの乱暴者で、ヒザラガイを力ずくでひっぺがして食べてしまうくらいです。
飼いはじめた頃は割と活発でしたが、成長スピードが速く、大きくなってしまってからは割と鈍重。
過去には超肉食のタイワンガザミと一緒に飼育していたのですが、
何倍も身体の大きいタイワンガザミが襲いに来ても渡り合ってるので戦闘力はお墨付き。
◆ケブカヒメヨコバサミ
【発見エリア】磯(中~低)
【レアリティ】★★
【最大サイズ】★★★
磯にいるヤドカリで、ケアシやホシゾラよりも少々深場で見つかります。印象では浅い方から
ホンヤド>イソヨコ>ホシゾラ(ケアシ)>ケブカヒメヨコバサミ>クロシマ
という感じ。このお姫様までは割と(関東某県なら)どの磯でも適当に見つかると思いますが、
クロシマなどは遠浅の岩礁海岸で大潮の干潮、くらいの条件が揃わないと見つからない?
白~オレンジっぽい身体に生えたふわふわな毛が可愛らしく(毛深姫ってくらいですからね!笑)、
そしてよく見ると眼柄(先っぽに眼がある細長い部分)の模様が面白いです。
飼ってみるとかなりどんくさく、同じくらいのサイズのヤドカリにいじめられてるのを見かけます。
かと思えば、その大人しさからは想像付かないアクロバティックな場所に進出してることも。
野外だと岩場の垂直になってるところでよく見つかるので自然ではあるのですが…。
一方で、磯のヤドカリのくせに砂に潜ってぬぼーっとしてることも多いです。
磯出身で近くに砂場が見当たらないところから拾ってきたんですが、一体どこで覚えた…?
似たヤドカリにヤスリヒメヨコバサミというのがいるのですが見逃してるかも。
ちなみに見分け方は未だに分からない。
◆ブチヒメヨコバサミ
【発見エリア】磯(中)
【レアリティ】★★★?
【最大サイズ】★?
毛で覆われ縞の入った薄クリーム色の身体と青い触角が特徴の、
可愛らしく透明感のあるヤドカリです。
写真の個体はとても小さいのですが、大きくなると眼柄も青くなるようです。
しかし一向に成長する気配がない…笑
その出で立ちはケブカヒメヨコバサミ青白色Ver.…というと雑な紹介ですが、
なかなかシルエットが似ていてなるほど同じヒメヨコバサミだなあと思うことしきり。
最初に見つけたときはいわゆる色変種というやつかなーと思ってしまったくらいです。
しかし分類上こちらはブチヒメコバサミ属という別の仲間とのことで…笑
飼育した感触もケブカヒメヨコバサミに似て…というかそれ以上にどんくさく、
岩の下の砂に潜ってじっとしていることがほとんどで、よく行方がわからなくなります笑
そういえば歩いてるところを見たことがない可能性…?
発見したのは、大体アオヒゲヒラホンヤドカリが見つかるのと同じような中潮帯の石の裏。
見つけたのは春、夏秋飛んで冬という具合で、やはり高水温が苦手なのかも。
■サンゴヤドカリの仲間■
(ヤドカリ科サンゴヤドカリ属)
すべすべで綺麗な体色の多いのがサンゴヤドカリ。
サンゴヤドカリというだけあって南の海に生息するものが多いようですが、関東でも見られます。
まだ確認してないですが、関東にいるのは水温が温かい季節限定なのかな?
ちゃんとした学術的特徴は恥ずかしながら知らないので今度調べます…
(左のハサミが必ず大きいようです)
◆ウスイロサンゴヤドカリ
【発見エリア】磯(低)
【レアリティ】★★★
【最大サイズ】★★
本州の磯でも安定して観察できる数少ないサンゴヤドカリ(…らしい)の仲間で、
薄灰色のすべすべしたボディーに赤い触覚が美しいヤドカリです。
貝殻選びもどこかオシャレな印象があり、白くて綺麗な貝殻が並んでるなと思って拾ってみると
全部が本種だったという経験があります笑
発見したのはクロシマよりももう少しだけ沖の方かな?という感じのエリアでした。
ここで紹介している中では小さめなヤドカリなのですが、割とヤンチャなところがあるようで、
目の前の最適サイズの空き貝殻を差し置いて他のヤドカリの家をカツアゲしにいっていたり、
他のヤドカリがまず登らないような傾斜を登頂していたりというのを見かけます。
ただし、ユビナガほど動き回るタイプではない印象です。
◆ツマジロサンゴヤドカリ
【発見エリア】磯(中~低)
【レアリティ】★★★?
【最大サイズ】★★?
(執筆中)
◆クリイロサンゴヤドカリ
【発見エリア】磯(低)
【レアリティ】★★★?
【最大サイズ】★★?
(執筆中)
◆ユビワサンゴヤドカリ
【発見エリア】磯(低?)
【レアリティ】★★★★?
【最大サイズ】★★?
(執筆中)
■その他のヤドカリ■
(ヤドカリ科)
ホンヤドカリとヨコバサミ以外の子たち。
同属が複数見つかったらカテゴリ分けするかも。
◆テナガツノヤドカリ
【発見エリア】干潟(低)
【レアリティ】★★?(生息地域が限られてますが、いるところには大量にいます)
【最大サイズ】★★
ホンヤドカリともヨコバサミとも違い、左のハサミが大きいのが分かりやすい特徴。
そして名前にもなっているツノ、羽毛状の触角をピコピコしてるのが最高にチャーミングです!
似たヤドカリにトゲトゲツノヤドカリという種類があるのですが、
そちらはハサミの一つ前の節が短く、目元に「泣きぼくろ」があるというのが
同定の重要ポイントのようです。つまり本種は腕が長く、泣きぼくろがない、ということですね。
(以前飼っていた本種らしい個体は、ついに死ぬまでどっちか断定できませんでした)
磯ではなく干潟にいるヤドカリで、干潮でも干上がらないくらいの水位で見られます。
冬には見かけなかったので、高水温に強く低水温に弱いのかも…?
どうやら泥の中に埋まりながらツノを使って餌を集めて生活しているようでして、
水槽内でも底砂に半分どころか全身埋まりながらツノだけをピコピコさせてじっとしています。
身体も小さく、上記の様子からも分かるように大人しくてのんびりした性格で、
しょっちゅう他のヤドカリに餌を奪われています笑
しかし度重なる環境変化や他の個体によるイジメも苦にしない強かさもあるようです。
◆オイランヤドカリ
【発見エリア】磯(中~低)
【レアリティ】★★★★?
【最大サイズ】★★★?
花魁という華やかな名前の割にはちょっと地味な色な上、モジャっとした風貌のヤドカリ。
色は写真の個体は茶色っぽいですが、赤色っぽいのもいるようで一概には言えないらしい。
脱皮後は青紫色っぽくなりましたしやはり体色は同定の当てにならない…。
生気のない黒く濁った眼と、触角や眼の周りの美しいオレンジ色が特徴的。
オイランの名の由来は分からないですが、この目の周りの色がお化粧っぽいと思えばなるほど感。
眼が黒く濁ってるのも遊女っぽい
ハサミの大きさは雌雄で違うらしく、雌ではほぼ左右同大、雄では左がハッキリと大きいとのこと。
生息域は普通、磯遊びするよりも少し深めのところとのことですが、
自分はクロシマと似たような深さで数回見つけたことがあるのと、
ホシゾラもまだまばらにしかいない浅いところでも見たことがあります。
割と南の方のヤドカリのようで、伊豆半島以南と書いてある図鑑もありましたが、
見つけたのはそれよりも北でした。無効分散なのかも?
性格は大人しく引っ込み思案で、一度引っ込むとなかなか出てこなくて確認に困る子筆頭。
そんな性格もあってか、貝殻も他の活動的なヤドカリが選ばないようなニッチなやつを選びがち。
◆イシダタミヤドカリ
【発見エリア】磯(中)
【レアリティ】★★★
【最大サイズ】★★★★
真っ赤な体色とトゲトゲ、そして大きな身体とインパクトの強い見た目のヤドカリ。
ここで紹介するヤドカリで大きさが比肩するのはヤマトとコブヨコくらいで、
磯遊びで見つけられたらテンションが上がること間違い無し。
左のハサミが大きくなる種類で、同定の際には眼柄等に表れてる紫色もポイントのようです。
少々深場にいるヤドカリなせいか、磯(や干潟)の生き物図鑑を読んでいても載ってないことも。
自分はクロシマやヤマトと同じエリアで何回か発見しました。
結構好戦的な性格なようでして、水槽に入れた直後から他のヤドカリに喧嘩を売り、
小さなヤドカリはガチで襲いはじめてしまうほど(なので大きくなったら隔離しています)。
大きめなヤドカリとしては動きも活発なようで、同じくらいの大きさのヤドカリが登らないような壁を
いそいそとクライミングをしてるのを見かけます。
…というのは大きな個体の話で、小さな個体となると印象は逆転。とても引っ込み思案で、
野外では引っ込んでなかなか出てこない、同定に困るヤドカリの仲間の一つです。
同じサイズのものを比較してみると、オイランヤドカリと印象がよく似ています。
◆ホンドオニヤドカリ
【発見エリア】磯(低)
【レアリティ】★★★★?
【最大サイズ】★★★★★
全身を覆うトゲトゲした毛と、赤っぽい体色に白いラインが特徴のヤドカリです。
そのオニと称されるほどの厳つい風格の上に、サイズ自体がかなり大きくなるヤドカリで、
最大だとイシダタミヤドカリよりも大きい気が…(鷲掴みするようなサイズの貝殻に入ってます)。
しかしこの目立つサイズにも関わらず磯遊びで見つけるのは結構難易度が高いと思われまして、
なぜなら超臆病な上に夜行性という…! 生息域はクロシマと同じくらいの深さかなと思います。
昼間だと岩の隙間に手を突っ込んで貝殻を引っ張り出し…を繰り返してようやく見つかるのですが、
仮にホンドオニヤドカリっぽいと分かっても、なかなか貝殻から出てこないので確認できない!笑
水槽の中では意外と動き回ってくれますが、それでも割と温厚なのは変わらないようで、
小さいヤドカリたちとの共生は今のところ上手くいっています。
隠れ家に無理やり入ろうとして穴を塞いでしまいますが…笑
サザエを襲って食べるという話を聞きますが、他のヤドカリを襲ったりはするのかな…?
採集して水槽に迎えたヤドカリが10種類を超えたので、まとめてみました!
種名と水槽内での写真、プラス主観ですが各ヤドカリの特徴を並べてみます。
どちらかというと採集の感想が主になるので図鑑ではなく日記に書きますが、
飼育方法について自分なりの持論ができたら図鑑にも書くかもしれません。
写真はスマホ画質からデジカメ撮影のものに順次差し替えています。
画質はご容赦を><
[記号などの説明]
※自分が野外で遭遇したときの主観と伝聞を基準にしてます
(なお、採集地はいまのところ全て関東某県内です)
【発見エリア】(発見した場所の地形)
※磯に関しては、位置の高い(浅い)ところから高潮帯(高)~潮間帯(中)~低潮帯(低)
とエリアを書くことにします
(位置の高いところで見られる=潮が大して引かなくても見られる)
【レアリティ】★(そこら中にいる)~★★★★★(なかなかお目にかかれない)
※生息域へのアクセシビリティ(潮目を問わないか、歩いていけるかどうか)も考慮
※★5は多分未記載種とか和名がない種とかそんなん…
【最大サイズ】★(指先に乗る程度)~★★★★★(握りこぶし大)
※貝殻を含めたサイズの印象なので、実際の体長と乖離があるかもしれません
※イメージは★4でペットショップのオカヤドカリくらい
■ホンヤドカリの仲間■
(ホンヤドカリ科ホンヤドカリ属)
いずれも右の鉗脚(ハサミ)が大きいのが特徴です。
今のところホンヤドカリ科はホンヤドカリ属しか見つけてないのでとりあえずこう分けます。
◆ホンヤドカリ
【発見エリア】磯(高~中)・干潟・防波堤
【レアリティ】★
【最大サイズ】★★★
ヤドカリ・オブ・ヤドカリ。
磯で見つかるヤドカリの9割位はコイツじゃないかと思うくらいたくさんいます。
砂浜ではさすがに見かけませんが、干潟でも見かけることがありますし、
消波ブロックの隙間なんかでも見たことがあります。
貝殻があってコイツがいない磯に他の動物なんていないのでは?
……と思うくらい、磯で最初に見つかる動物。
しかし深場に進んでいくと、イソヨコバサミなどは割とどこまで行っても見つかる一方で、
ホンヤドカリは途中からパタリと見つからなくなる気がします。
見た目の特徴はマダラな触角と灰色~緑色の体色ですが、色は意外とバリエーションがあります。
専門家じゃないので観察しながら「コイツラ本当は違う種なのでは…?」と思うことすらも。
飼育は海水生物の中でもおそらく最も簡単なうちのひとつで、
逆にコイツを飼育できない環境では何も飼えないのではとすら思います。
見た目は地味でも動きは結構活発で、水槽内でチョロチョロしてる姿は見ていて飽きません。
◆ユビナガホンヤドカリ
【発見エリア】磯(高~中)・干潟(中~低)・堤防
【レアリティ】★(干潟)~★★★?(磯)
【最大サイズ】★★★
磯ではホンヤドカリがはびこっていますが
干潟だとこっち大多数という印象を受けます。
小さな個体が多いですが、ツメタガイなどの大きめな貝殻に入ってるような個体もいます。
汽水気味で砂がいくらかある場所なら干潟ではなくても良いようで、
自分が飼ってるのも磯に砂が溜まってる場所で見つけた個体です。
変なところでは堤防の波打ち際でも見つけたことも(恐らく海底から上がってきた個体)。
ユビナガのユビというのは歩脚(普通の脚)の指節(爪の節)のことのようで、
そこが長いのでシルエットが特徴的な印象があります。
他のヤドカリは爪先で歩いてるような感じ、ユビナガは膝で歩いてるような感じ…?
体色は黄色~白色のベースに黒い縞模様、そして地味に目が面白くて、
写真で確認してみると細めて寄り目にしてるような感じに見えるのがコミカル。
動きはかなり活発で、いつも水槽内を忙しなく駆けずり回ってます。
自分より大きなヤドカリに喧嘩を売ってはビビって逃げたりなんて光景もしょっちゅう。
また、高いところが好きなようで、よくコードや水槽の角を伝って変なところまで上がってきます。
なんとかと煙は高いところが好きということか…。
◆クロシマホンヤドカリ
【発見エリア】磯(低)
【レアリティ】★★
【最大サイズ】★★?
ユビナガホンヤドカリに似た模様を持つ小さめのヤドカリです。
よく見ると縞模様のパターンが違って、ユビナガは脚を一周するような横縞、
こちらは割とハッキリとした縦方向の縞模様です。
そしてあまりそう紹介されてるのを見ないのですが(個体差があるということかも)、
こちらは背中が結構鮮やかなピンクで、そこが一番分かりやすいポイントかなと思います。
また、黄色みの強いユビナガと比して緑っぽい色の個体が多い上(写真はなんか黄色いな…)、
生息域もだいぶ違っているので、一箇所で両方見つかって迷うということはないと思います)
(こちらは磯、しかも高波がかかりはじめるような沖の方まで行かないと見つけられません)。
一度見つかりはじめると、ホンヤドカリと入れ替わるようにして大量に見つかりはじめる印象。
動きはユビナガと対照的に割と大人しめな印象で、動き回っていることはあるものの、
水槽内の辺鄙なところに一匹で佇んでることも多い気が。
水槽内では苔掃除役として非常に役に立つそうなのですが、
ウチのヤドカリ水槽はあまり苔が生えないので威力は不明…。
◆イクビホンヤドカリ
【発見エリア】磯(中)
【レアリティ】★★?
【最大サイズ】★★★
(執筆中)
◆ホシゾラホンヤドカリ
【発見エリア】磯(中~低)
【レアリティ】★★
【最大サイズ】★★★
上のホンヤドカリたちより少し大きめな(ことの多い)ヤドカリ。
ダークグリーンな身体に毛がわさわさと生えてるのが見た目の特徴。暗くてピントが合わない。
そして赤い触角がかっこいい! かっこいい!!(大事なことなので)
ホンヤドカリと比べると少し深場にいますが、クロシマほど沖にいかなくても見つけられます。
ちょっと深めの磯で、一個だけ貝殻が転がってたら大体このヤドカリかなという印象。
動きは割と活発ながらチョロチョロという感じではなく、パワー系の雰囲気。
少し乱暴な感じも印象もあり、他のヤドカリを脅かしてるのをたまに見かけます。
ガチで襲ってるわけではなさそうですが…。
その一方で、割と浅場に住むヤドカリの割に比較的デリケートなのか、
それより深場のヤドカリと一緒に飼ってても先に死んでしまう印象。
飼ってるうちでは3ヶ月もった子がいたかどうか…。
◆ケアシホンヤドカリ
【発見エリア】磯(中~低)
【レアリティ】★★★?
【最大サイズ】★★★
赤い触角に緑の身体で毛むくじゃら…というホシゾラホンヤドカリにそっくりなヤドカリ。
実は比較的近年まで、ホシゾラさんはこのケアシと同じ種類だと思われてたらしい。
ホシゾラは黒っぽい身体に白い斑点(これが星空ということらしい)、
ケアシは明るい緑に黒い斑点、という違いがあります。
ただ、ハサミが白斑点で脚が黒斑点という個体を何回か見てるので交雑してることもあるのかも?
模様以外は大体ホシゾラと同じ…と自分は理解をしてるのですが、
なにしろ自分の探した範囲では生息数が圧倒的にホシゾラ>>>>>ケアシでして、
飼った数もいまのところ一匹なので比較できないというのが正直なところ。
その一匹については、ホシゾラと比較すると結構長生きしてます。
ちなみに似た見た目のヤドカリとして、さらに他にも
「ヨモギホンヤドカリ」「ヒメケアシホンヤドカリ」がいるようです。コンプリートしたい。
◆ヤマトホンヤドカリ
【発見エリア】磯(低)
【レアリティ】★★★
【最大サイズ】★★★★?
派手な赤白のシマシマ、そして碧色の眼…という異国情緒あふれる外見ですが、
和名と学名(Pagurus japonicus)にも表れてるように、日本が原産らしいです。
生息域の目安はクロシマと同じか更に深場の岩礁帯、だそうで、
実際自分はクロシマを発見したのと同じエリアで見つけました。
結構大きくなる種類でして、磯では握りこぶし大の個体もいてビビりました笑
こんな見た目じゃ磯では目立つのでは…と図鑑を見たときは思ってたのですが、
紅いサンゴモの中に紛れるとなかなかそれと分からなくて、よく出来てるな~と感心します。
実はヤドカリの種類を勉強してから、この子を採集するのが一つの目標でした。満足。
大きくなる割に性格は大人しめな印象で、昼夜問わず岩の下に隠れてることが多いです。
その一方で、敵に見つかると宿に隠れず走って逃げるという一面もあったり…笑
高水温に弱いらしく、夏場はやはり飼育が難しい印象がありますが、
逆に冬場はずっと元気が良いような気がします。
◆アオヒゲヒラホンヤドカリ
【発見エリア】磯(中)
【レアリティ】★★★?
【最大サイズ】★★?
縞といえばいいのか斑点といえばいいのか特徴的な模様と、わさわさした長めの体毛、
そして触角のオレンジと青のコントラストが綺麗な、小型のホンヤドカリです。
ホンヤドカリといえば右手が大きく、大体はそれがとても分かりやすいのですが、
この子はそれが(身体が小さいのもあって)非常にわかりにくく、
最初発見したときはヨコバサミの仲間かと思ってしまいました。
見つけたのは大体ホシゾラホンヤドカリが見つかりはじめるくらいの深さのところで、
大きめの石をひっくり返すとワラワラと…。隠れてる数の割に表側では全く見かけませんでした。
石の裏を見るテクを身に着けないと一生見つからなかったのかも…笑
春~夏にはよく見かけて秋に見つからなくなり、冬にまた見つかりはじめました。
ちょうど(気温から遅れて)水温が高くなる時期にいなくなったのかな…? 高水温苦手な説。
動きを見ているとさほど大人しいというわけでもなく、割と動き回ります。
しかし物陰に隠れるのが好きというのは飼育下でも変わらないようで、
逆さまになって石やフィルターの裏などにくっついてるのをよく見かけます。
おかげで生存確認のときに見つからなくて焦る…!笑
■ヨコバサミの仲間■
(ヤドカリ科ヨコバサミ属・ヒメヨコバサミ属・ブチヒメヨコバサミ属)
ハサミが左右で同じ大きさで、横に開くのが特徴…とのこと。
(他のヤドカリが前後に開くけど、という意味らしいが未だによく分からない)
ホンヤドカリと比べると、体格に比して可愛らしいハサミをしてる気がします。
ハサミで蓋ができないためか、ホンヤドカリたちよりも大きな貝殻を好んでる気が。
◆イソヨコバサミ
【発見エリア】磯(高~低)
【レアリティ】★
【最大サイズ】★★★
磯を代表するヤドカリとして、ホンヤドカリに次ぐ存在。
ホンヤドカリほどではないですが、比較的浅い場所で見つけられます。
数も多く、ホンヤドカリの他にイソヨコバサミを見つけだすのがヤドカリスト(謎)の第一歩?
細い枝のような(青)緑色の脚とイボつきのハサミ、そしてよく見ると綺麗な青い触角が特徴。
標準的なホンヤドカリよりも一回り大きい個体が多いのですが、図体の割にかなり臆病で、
一旦引っ込むとなかなか出てこず、採集中は同定に窮することも多々。
磯で空の貝殻だと思って持って帰ろうとすると中身にコイツが…という事故も割とよくあります。
しかし水槽ではなかなか横柄で、小さいヤドカリから餌を強奪したり、
同格のヤドカリの家を奪い取ろうとしているのをよく見かけます。
離れ目がちな表情もあって少なからぬ狂気を感じたり感じなかったり…笑
◆コブヨコバサミ
【発見エリア】磯(高?)・干潟(自分では未発見)
【レアリティ】★★★?(磯)
【最大サイズ】★★★★?
主に干潟で見つかるヤドカリらしく、ネットで調べても浜名湖の話ばかりが引っかかるのですが、
ユビナガと同じく汽水気味で砂がある程度あれば良いようで、
自分はやはりユビナガと同じく、その条件が揃った磯で見つけました。
黒っぽい体にオレンジ色のライン、トゲトゲのハサミ…
とただでさえ厳つい見た目のヤドカリなのですが、野外で見つかるのは大型のものが多く、
浅場でも見つかるヤドカリとしてはかなり迫力があります。
飼育下ではなかなかの乱暴者で、ヒザラガイを力ずくでひっぺがして食べてしまうくらいです。
飼いはじめた頃は割と活発でしたが、成長スピードが速く、大きくなってしまってからは割と鈍重。
過去には超肉食のタイワンガザミと一緒に飼育していたのですが、
何倍も身体の大きいタイワンガザミが襲いに来ても渡り合ってるので戦闘力はお墨付き。
◆ケブカヒメヨコバサミ
【発見エリア】磯(中~低)
【レアリティ】★★
【最大サイズ】★★★
磯にいるヤドカリで、ケアシやホシゾラよりも少々深場で見つかります。印象では浅い方から
ホンヤド>イソヨコ>ホシゾラ(ケアシ)>ケブカヒメヨコバサミ>クロシマ
という感じ。このお姫様までは割と(関東某県なら)どの磯でも適当に見つかると思いますが、
クロシマなどは遠浅の岩礁海岸で大潮の干潮、くらいの条件が揃わないと見つからない?
白~オレンジっぽい身体に生えたふわふわな毛が可愛らしく(毛深姫ってくらいですからね!笑)、
そしてよく見ると眼柄(先っぽに眼がある細長い部分)の模様が面白いです。
飼ってみるとかなりどんくさく、同じくらいのサイズのヤドカリにいじめられてるのを見かけます。
かと思えば、その大人しさからは想像付かないアクロバティックな場所に進出してることも。
野外だと岩場の垂直になってるところでよく見つかるので自然ではあるのですが…。
一方で、磯のヤドカリのくせに砂に潜ってぬぼーっとしてることも多いです。
磯出身で近くに砂場が見当たらないところから拾ってきたんですが、一体どこで覚えた…?
似たヤドカリにヤスリヒメヨコバサミというのがいるのですが見逃してるかも。
ちなみに見分け方は未だに分からない。
◆ブチヒメヨコバサミ
【発見エリア】磯(中)
【レアリティ】★★★?
【最大サイズ】★?
毛で覆われ縞の入った薄クリーム色の身体と青い触角が特徴の、
可愛らしく透明感のあるヤドカリです。
写真の個体はとても小さいのですが、大きくなると眼柄も青くなるようです。
しかし一向に成長する気配がない…笑
その出で立ちはケブカヒメヨコバサミ青白色Ver.…というと雑な紹介ですが、
なかなかシルエットが似ていてなるほど同じヒメヨコバサミだなあと思うことしきり。
最初に見つけたときはいわゆる色変種というやつかなーと思ってしまったくらいです。
しかし分類上こちらはブチヒメコバサミ属という別の仲間とのことで…笑
飼育した感触もケブカヒメヨコバサミに似て…というかそれ以上にどんくさく、
岩の下の砂に潜ってじっとしていることがほとんどで、よく行方がわからなくなります笑
そういえば歩いてるところを見たことがない可能性…?
発見したのは、大体アオヒゲヒラホンヤドカリが見つかるのと同じような中潮帯の石の裏。
見つけたのは春、夏秋飛んで冬という具合で、やはり高水温が苦手なのかも。
■サンゴヤドカリの仲間■
(ヤドカリ科サンゴヤドカリ属)
すべすべで綺麗な体色の多いのがサンゴヤドカリ。
サンゴヤドカリというだけあって南の海に生息するものが多いようですが、関東でも見られます。
まだ確認してないですが、関東にいるのは水温が温かい季節限定なのかな?
ちゃんとした学術的特徴は恥ずかしながら知らないので今度調べます…
(左のハサミが必ず大きいようです)
◆ウスイロサンゴヤドカリ
【発見エリア】磯(低)
【レアリティ】★★★
【最大サイズ】★★
本州の磯でも安定して観察できる数少ないサンゴヤドカリ(…らしい)の仲間で、
薄灰色のすべすべしたボディーに赤い触覚が美しいヤドカリです。
貝殻選びもどこかオシャレな印象があり、白くて綺麗な貝殻が並んでるなと思って拾ってみると
全部が本種だったという経験があります笑
発見したのはクロシマよりももう少しだけ沖の方かな?という感じのエリアでした。
ここで紹介している中では小さめなヤドカリなのですが、割とヤンチャなところがあるようで、
目の前の最適サイズの空き貝殻を差し置いて他のヤドカリの家をカツアゲしにいっていたり、
他のヤドカリがまず登らないような傾斜を登頂していたりというのを見かけます。
ただし、ユビナガほど動き回るタイプではない印象です。
◆ツマジロサンゴヤドカリ
【発見エリア】磯(中~低)
【レアリティ】★★★?
【最大サイズ】★★?
(執筆中)
◆クリイロサンゴヤドカリ
【発見エリア】磯(低)
【レアリティ】★★★?
【最大サイズ】★★?
(執筆中)
◆ユビワサンゴヤドカリ
【発見エリア】磯(低?)
【レアリティ】★★★★?
【最大サイズ】★★?
(執筆中)
■その他のヤドカリ■
(ヤドカリ科)
ホンヤドカリとヨコバサミ以外の子たち。
同属が複数見つかったらカテゴリ分けするかも。
◆テナガツノヤドカリ
【発見エリア】干潟(低)
【レアリティ】★★?(生息地域が限られてますが、いるところには大量にいます)
【最大サイズ】★★
ホンヤドカリともヨコバサミとも違い、左のハサミが大きいのが分かりやすい特徴。
そして名前にもなっているツノ、羽毛状の触角をピコピコしてるのが最高にチャーミングです!
似たヤドカリにトゲトゲツノヤドカリという種類があるのですが、
そちらはハサミの一つ前の節が短く、目元に「泣きぼくろ」があるというのが
同定の重要ポイントのようです。つまり本種は腕が長く、泣きぼくろがない、ということですね。
(以前飼っていた本種らしい個体は、ついに死ぬまでどっちか断定できませんでした)
磯ではなく干潟にいるヤドカリで、干潮でも干上がらないくらいの水位で見られます。
冬には見かけなかったので、高水温に強く低水温に弱いのかも…?
どうやら泥の中に埋まりながらツノを使って餌を集めて生活しているようでして、
水槽内でも底砂に半分どころか全身埋まりながらツノだけをピコピコさせてじっとしています。
身体も小さく、上記の様子からも分かるように大人しくてのんびりした性格で、
しょっちゅう他のヤドカリに餌を奪われています笑
しかし度重なる環境変化や他の個体によるイジメも苦にしない強かさもあるようです。
◆オイランヤドカリ
【発見エリア】磯(中~低)
【レアリティ】★★★★?
【最大サイズ】★★★?
花魁という華やかな名前の割にはちょっと地味な色な上、モジャっとした風貌のヤドカリ。
色は写真の個体は茶色っぽいですが、赤色っぽいのもいるようで一概には言えないらしい。
脱皮後は青紫色っぽくなりましたしやはり体色は同定の当てにならない…。
生気のない黒く濁った眼と、触角や眼の周りの美しいオレンジ色が特徴的。
オイランの名の由来は分からないですが、この目の周りの色がお化粧っぽいと思えばなるほど感。
眼が黒く濁ってるのも遊女っぽい
ハサミの大きさは雌雄で違うらしく、雌ではほぼ左右同大、雄では左がハッキリと大きいとのこと。
生息域は普通、磯遊びするよりも少し深めのところとのことですが、
自分はクロシマと似たような深さで数回見つけたことがあるのと、
ホシゾラもまだまばらにしかいない浅いところでも見たことがあります。
割と南の方のヤドカリのようで、伊豆半島以南と書いてある図鑑もありましたが、
見つけたのはそれよりも北でした。無効分散なのかも?
性格は大人しく引っ込み思案で、一度引っ込むとなかなか出てこなくて確認に困る子筆頭。
そんな性格もあってか、貝殻も他の活動的なヤドカリが選ばないようなニッチなやつを選びがち。
◆イシダタミヤドカリ
【発見エリア】磯(中)
【レアリティ】★★★
【最大サイズ】★★★★
真っ赤な体色とトゲトゲ、そして大きな身体とインパクトの強い見た目のヤドカリ。
ここで紹介するヤドカリで大きさが比肩するのはヤマトとコブヨコくらいで、
磯遊びで見つけられたらテンションが上がること間違い無し。
左のハサミが大きくなる種類で、同定の際には眼柄等に表れてる紫色もポイントのようです。
少々深場にいるヤドカリなせいか、磯(や干潟)の生き物図鑑を読んでいても載ってないことも。
自分はクロシマやヤマトと同じエリアで何回か発見しました。
結構好戦的な性格なようでして、水槽に入れた直後から他のヤドカリに喧嘩を売り、
小さなヤドカリはガチで襲いはじめてしまうほど(なので大きくなったら隔離しています)。
大きめなヤドカリとしては動きも活発なようで、同じくらいの大きさのヤドカリが登らないような壁を
いそいそとクライミングをしてるのを見かけます。
…というのは大きな個体の話で、小さな個体となると印象は逆転。とても引っ込み思案で、
野外では引っ込んでなかなか出てこない、同定に困るヤドカリの仲間の一つです。
同じサイズのものを比較してみると、オイランヤドカリと印象がよく似ています。
◆ホンドオニヤドカリ
【発見エリア】磯(低)
【レアリティ】★★★★?
【最大サイズ】★★★★★
全身を覆うトゲトゲした毛と、赤っぽい体色に白いラインが特徴のヤドカリです。
そのオニと称されるほどの厳つい風格の上に、サイズ自体がかなり大きくなるヤドカリで、
最大だとイシダタミヤドカリよりも大きい気が…(鷲掴みするようなサイズの貝殻に入ってます)。
しかしこの目立つサイズにも関わらず磯遊びで見つけるのは結構難易度が高いと思われまして、
なぜなら超臆病な上に夜行性という…! 生息域はクロシマと同じくらいの深さかなと思います。
昼間だと岩の隙間に手を突っ込んで貝殻を引っ張り出し…を繰り返してようやく見つかるのですが、
仮にホンドオニヤドカリっぽいと分かっても、なかなか貝殻から出てこないので確認できない!笑
水槽の中では意外と動き回ってくれますが、それでも割と温厚なのは変わらないようで、
小さいヤドカリたちとの共生は今のところ上手くいっています。
隠れ家に無理やり入ろうとして穴を塞いでしまいますが…笑
サザエを襲って食べるという話を聞きますが、他のヤドカリを襲ったりはするのかな…?
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[14]返信
アクアユリウス
2017年6月8日
>>13 もちもち さん ありがとうございます〜! ヤドカリに限らず生体の魅力はやっぱり動いてるところだよなあと思うので、今後もっと動画で紹介していきたいですね |
[13]返信
もちもち
2017年6月5日
編集お疲れ様です!あぁすごいw磯遊びする時は必ず参考にします!wコブヨコバサミさんしゅごいwテナガツノヤドカリさんのピコピコ動画さがして見ました(*´∀`*)案外振り回しててオモロイw |
[12]返信
ラミレジィだいしゅき!
2017年5月31日
>>9 アクアユリウス さん ありがとうございます! 友達と磯採集行く予定なので助かります! 🙌🙌 |
[11]返信
アクアユリウス
2017年5月30日
>>10 chirikuwa さん おお、そうなんですねスゴイ… 調べてみると生物相的に面白い地域らしく楽しそうですね~ >徳之島 南方の離島はまだ経験がないのですが機会があればぜひ… |
[10]返信
chirikuwa
2017年5月29日
>>9 アクアユリウス さん オカヤドカリは九州地方の島に行けばそれこそ、足の踏み場のないほどにいますよ。 南に行くなら徳之島がオススメですね。ウミヘビやウツボの子供が泳いでいたり、朽ちた巨大なシャコガイが転がっていたりな手付かずの海、観光だというとびっくりされるほどの観光客のいなさ加減、荒ぶる牛、いいとこですよー。 まぁ、私が小学校の頃の話ですけどね・・・。 |
[9]返信
アクアユリウス
2017年5月29日
>>5 ラミレジィだいしゅき! さん 種類にはよると思いますが、ここに挙げてるような浅場に住む頑丈な種類であれば、 うちでも水量約20L+水中フィルターの環境で飼えてるので行けると思います。 ここに挙げてるうちテナガツノヤドカリとイソヨコバサミは、 最初の頃10L入らないプラケースでしばらく生きてたくらいで…。 ショップで買うようなやつだとどうかは不勉強です、すみません>< >>6 chirikuwa さん オカヤドカリは実は生で見たことないので、野生でなんて自分には想像付かないすごい… ワモンはいつか自分も捕まえてみたい…! 自分はもうヤドカリメインの水槽作ってしまってるくらいに夢中ですね~♪ >>7 コリだらス さん 自分も集めはじめるまで知りませんでした()が、 やっぱり種類と特徴がわかると面白くなってきます! しかも陸から歩いていける範囲でこれだけいる、というのがツボですねー |
[8]返信
アクアユリウス
2017年5月29日
>>1 コロネーゼ さん マクロレンズで撮ると思い切り睨みつけてきて面白いですww 今度あげてみます! ヤドカリはカニやエビと違って普通には接する機会がないので、 飼ってる自分でも非日常感があって面白いですねー >>2 ハッピーセット さん ありがとうございます! 採取したときは名前が分かると愛着わきますよ~ 自由研究! 確かにそんな感じのノリですww 期間は半年以上ですが… >>3 riparian さん ちょうどそれくらいのイメージです! >★★★のサイズ ★★★にしてるヤツも普通に採れるのはもうひと回り小さいんですが、 採集してるとたまにデカいのに出くわすんですよね うちのもここまで育てられたらなーと思いながらリリースしてます笑 磯ではヤドカリ以外にも色んな種類の生き物が見つけられてて本当に楽しいですねー >>4 もちもち さん ありがとうございます! ただヤドカリ図鑑は世の中もっとすごいのがあるのでまだまだです… ユビナガは(稀にですが)苔取り貝に乗って水槽一周の旅とかやっててホントいいキャラしてますww |
[7]返信
コリだらス
2017年5月29日
編集お疲れ様です(><) ヤドカリにこんなに種類があった事がまず驚きです… それぞれに特徴があって面白いですね(^-^) |
[6]返信
chirikuwa
2017年5月29日
オォー、私がつかまえたことがあるヤドカリってホンヤド、ユビナガ(?)、ワモンヤドカリ系の何か、オカヤドカリくらいのものですよ・・・。 たまに捕まえてきて水槽に入れてるんですけど、なかなか可愛いですよねぇ。 |
[5]返信
ラミレジィだいしゅき!
2017年5月28日
こんばんは! ヤドカリさん飼いたくなってきたのですが30キューブに底面+スペースパワーフィットでいけますかね…? |
[4]返信
もちもち
2017年5月28日
これはすごいw編集お疲れ様です!とても見やすくてわかりやすいです! ユビナガホンヤドカリさんはおもしろいキャラなんですね(*´∀`*)ウフフ |
[3]返信
riparian
2017年5月28日
色々な種類のヤドカリがいるんですね 驚いたのが結構大きな種類が多い事 最大サイズ★★★というと オカヤドカリよりも少し小さい位? 昔磯遊びしていた時はこんなに色々な種類は見つけられなかったから 楽しそうで羨ましいです。 |
[2]返信
ハッピーセット
2017年5月28日
私もヤドカリを採取しましたが ここまで調べていませんでした 大変興味深い内容です 夏休みの自由研究になりそうですねww |
[1]返信
コロネーゼ
2017年5月27日
ユビナガホンヤドカリのこっち見んな感可愛いです! ヤドカリのフォルムって面白いですね~ |