(長文)コリドラスの濾過を考える
cory-paradise
2017/12/19(火)17:21
Moi! こんにちは、cory-paradiseです。
皆さん、ハンバーグお好きですか?
もちろん私も大好きです。特にチーズinハンバーグがお気に入りなのですが、以前にガ〇トで注文したらチーズが入っていない事がありました。
これは交換してもらおうと思ったのですが、ふと目についた付け合わせのポテトサラダを見てひらめいたのです。ポテトinハンバーグにしたら美味しいのではないか!?
結果は・・・うん、ポテトサラダはそのままがよいです。何事にもセオリーがあるのですね。
それでは本題へどうぞ。
まずは改めて、アクアリウムにおける濾過とは何か?
ご一緒に確認していきましょう。
物理濾過(使用ろ材:ウールマット・スポンジなど)
繊維が網の目状のろ材を用いて、主に目に見える位の大きさのゴミを物理的に取り除く方法。
生物濾過(使用ろ材:リングろ材・ボールろ材など)
主にフィルター内に設置したろ材を住み処として定着した好気性バクテリアの働きによって、水中の有害物質や有機物を分解する方法。
化学濾過(使用ろ材:活性炭・ゼオライトなど)
水のにごりや黄ばみの原因物質を吸着する機能を持ったろ材を用いる方法。
大別するとこんな感じですね。
ポイントは使用するろ材の種類によって濾過の方法と働きが異なる点であり、フィルターの種類によって異なる訳では無いとゆうことです。目的とする濾過方法と合致したろ材を使用すること、また必要に応じてろ材を変更または組み合わせる事が効果的と言えます。
ろ材も、いろいろ♪
ろ材の中には、複数の濾過機能を持ち合わせた物もあります。
・ストレーナースポンジ、粗目スポンジ、リングろ材⇒物理濾過と生物濾過
・ソイル、ゼオライト⇒生物濾過と化学濾過
特にソイルは底床が本来の役割ですが、後で紹介する底面フィルターでは優秀なろ材となります。
その機能や特性は多くの生体や水草にとって有益なものであり、極めて優秀です。そのため底面フィルター以外でも「ろ材」として活用されることも少なくありません。
では、どれが一番重要か?
私のような飼育スタイルでしたら生物濾過だと思いますが、正直なところケース・バイ・ケースとしか言えません。3種類の濾過方法を組み合わせて、混合的に使うのが妥当と言えるでしょう。
むしろ重要視すべきは、単にどれが良いかではなく、濾過に関するある程度の知識と理解を持っていないと、メンテナンスの部分で大きな間違いを犯す可能性があるとゆうことです。
生物濾過は好気性バクテリアの住み処となるろ材の量、濾過容積(濾過面積)に大きく影響を受けます。単純に大きい方が濾過能力は上がる訳です。
また、好気性とは酸素を好む(必要とする)バクテリアのことを意味しており、水の流れがある場所により多く定着・繁殖します。逆に酸素を必要としない嫌気性バクテリアは水の流れが停滞し汚れがたまり易い場所に定着・繁殖し、場合によっては病気の発生原因にもなり得ます。
つまり、使用するろ材を最大限に生かし効果的に生物濾過を行うためには、好気性バクテリアが好む環境を維持するとゆうことになります。
そして、物理濾過にも化学濾過にも同様の事が言えます。
効果的な濾過を行うためにはどのようなろ材でも必ずメンテナンスが必要であり、使用期限(耐用年数)によって交換も必要だとゆうことを覚えておいて下さい。
ウールマット・スポンジなど
素材が痛んでくると効果が落ちたり、汚れが溜まると目詰まりを起こす。フィルターの流量低下の原因として大半がこれに該当するので定期的な交換が必要。
リングろ材・ボールろ材など
半永久的に使用できる素材が多いが、形状が崩れたり割れたりしたら交換することもある。また汚れが溜まると目詰まりが起きて効果が下がったり、最悪の場合、酸素が供給されずバクテリアの大量死滅と共に環境の突然崩壊もありうる。
活性炭・ゼオライトなど
効果のある期間は短く、1か月~半年程度のものがほとんど。推奨期間を超えると吸着力の低下のみならず、逆に吸着した有害物質を吐き出して環境悪化を引き起こすこともある。
ろ材だって、い~ろいろ都合があるの♪
さて、ちょっと怖いお話をしましょう。もし、ろ材のメンテナンスを怠った場合どうなるのか?
もちろん皆さんお気付きとは思いますが、最悪のシナリオはこうなります。
・化学濾過のろ材が、使用期限を越えることで効果が無くなります。
・スポンジ類やリングろ材などに徐々に汚れが溜まり、目詰まりを起こします。
・水の流れが悪くなることで酸素の供給量が減り、バクテリアが徐々に死滅していきます。
・バクテリアの死骸が水中に漂いますが、分解する濾過能力はもうありません。
・化学濾過のろ材が有害物質を吐き出し続けます。
そして、ある日突然、急激に環境は悪化し生体は全滅・・・。この過程は条件さえそろえば1~3日で充分に完遂されます。怖いですね。
ぢゃあ、いつメンテナンスしたらいいのか?
「今でしょう?」
・・・と言うのは冗談ですが、一応の目安はあります。
①化学濾過のろ材は使用期限を守る
②フィルターの流量(水の勢い)に注意する
③白くて細かいゴミが浮遊していないか注意する
④水の濁りや臭いが出ていないか注意する
こう言った事を日常的に意識して観察することで、そろそろメンテナンスが必要かどうかを判断することが出来ると思います。
さて、濾過とろ材の特性を理解し、選択さえ間違わなければフィルターは何でもよいのでしょうか?
いえいえ、実際にはそうではありません。
フィルターも、いろいろ♪
それぞれが構造上の違いから、スペックも得意とする濾過の種類も異なります。そして、使用出来るろ材の種類も量も様々です。ここからは代表的な6種類のフィルターについて、それぞれの特徴を確認をしていきましょう。
レビューは★5つで満点です。あくまで個人の意見ですのでご参考までに。
【外部フィルター】
物理濾過:★★★★
生物濾過:★★★★★
化学濾過:★★★
静音性:★★★★
メンテナンス性:★★
総評:どのサイズの水槽にも対応できるラインナップがあり、総じて濾過容積が大きく生物濾過を得意としています。また汎用されるリングろ材は物理濾過能力も兼ねているので、ストレーナースポンジを併用するなどの工夫次第で物理濾過を強化することも可能です。どれも平均以上の能力を持っており、現在では主要なメインフィルターとも言えるでしょう。
フィルター内を流れる水が空気と触れることが無いので、添加した二酸化炭素が逃げにくく水草をメインとした水槽であれば必須とも言えます。逆に言えば、生体メインの水槽なら何らかの方法で水中の溶存酸素を補わなくてはならない場合もあります。
目立ったデメリットが無く、豊富なパーツ類を使用すれば弱点を補うことも可能です。あえて挙げるとすれば価格が高めであること、初心者には設置やメンテナンスがやや困難であることがデメリットかと思います。
【上部フィルター】
物理濾過:★★★★
生物濾過:★★★
化学濾過:★★★
静音性:★★
メンテナンス性:★★★★
総評:古くからアクアリウムで使用されており、長い間基本的な構造は変化しておらず信頼性と実績は高く評価できます。初心者に推奨される60cm規格水槽セットに付属しているフィルターとしての販売例も多いです。
濾過容積が比較的広く、またろ材の組み合わせ次第で強化したい濾過を変更出来ます。構造上、水が空気に触れやすく水中の溶存酸素を上げることも期待出来ますので、生体メインの水槽や大型魚飼育に向いています。メンテナンスもふたを開ければ簡単にろ材の状態を確認したり、交換することが出来ます。
デメリットは水槽の上部半分を覆ってしまうため、水槽内に手が入れづらいこと、使用するライトの選択肢が低いこと、水と空気が触れる構造上で添加した二酸化炭素が逃げやすく水草の育成には向かないこと、枠なしの水槽には設置できないこと、小型水槽向けの商品がほぼ無いことでしょう。
【底面フィルター(エアポンプ使用)】
物理濾過:★★
生物濾過:★★★★★
化学濾過:★(ソイル使用時:★★★)
静音性:★
メンテナンス性:★★
総評:すのこ状の本体に底床をかぶせ、砂利やソイルをろ材として活用する特殊な濾過構造をしています。そのため濾過面積が広く、極めて高い生物濾過能力を持っています。水を循環させる方法としては、エアポンプを使用することが一般的ですが、水中ポンプを使用する例もあります。
導入コストが安く、シンプルな構造で設置も容易ですが、正しいメンテナンスの実施と濾過構造の理解がないと充分な効果が期待できず、環境の崩壊をも引き起こすリスクもあります。そのため少なくとも1年に1回はリセットが必要な場合もあります(ソイル使用時は期間が異なる場合もあります)SHOPで多く使用されていますが、上記の理由から初心者向きとは言えません。
【外掛けフィルター】
物理濾過:★★
生物濾過:★
化学濾過:★★
静音性:★★★
メンテナンス性:★★★
総評:小型水槽にマッチするフィルターです。現在では最も豊富なラインナップを持っているのが特徴です。コンパクトで扱いもシンプルなのでメンテナンスは簡単です。稼働音の小ささは外部フィルターに次いで静かです。
メーカー推奨の交換ろ材を使うのであれば、物理濾過と化学濾過がメインになります。生物濾過に関しては、ろ材を丸ごと交換してしまうため、ほぼ期待できません。全体的に濾過能力は低めです。
その他、水槽内に垂直に水が落ち込むため水流が強すぎてしまうこともよくあります。カスタマイズ例もよく聞きますが、失敗すると逆効果になり兼ねません。私も失敗に失敗を重ね、改造は諦めました。
【スポンジフィルター(エアポンプ使用)】
物理濾過:★★
生物濾過:★★★
化学濾過:★
静音性:★
メンテナンス性:★★★
総評:底面フィルターと同じくエアポンプで水を循環させる構造が主流です。しかし、ろ材はスポンジのみなので濾過能力はそれほど高くありません。また、目詰まりも起こり易いです。
推奨される使用法として、スポンジを2個装着できる商品を選び、片方ずつメンテナンスすることで濾過能力と水質の急激な変化を緩和することができます。小型水槽での繁殖、育児に向いています。また、エビの飼育に利用されている例も多いです。充分な観察をしながら適時水換えを含めた水槽全体のメンテナンスが可能であれば、使い勝手の良い面もあります。また最近ではカスタマイズパーツが販売されており、サブフィルターとしても優秀と言えます。
【投げ込み(ぶくぶく)フィルター(エアポンプ使用)】
物理濾過:★★★
生物濾過:★★
化学濾過:★★★
静音性:★
メンテナンス性:★★★
総評:構造自体は底面フィルター等と同様にエアポンプで水を循環させます。小型でシンプル。超ロングセラーを誇る商品もあります。
金魚の飼育セット水槽に付属していることが多いですが、単体での能力は決して高くはありません。しかしサブフィルターとして用いることで糞やゴミの回収、一時的に中身を化学ろ材に入れ替えて水質調整したりする時に大変重宝します。
フィルターの種類は様々ですが、一定以上の流量(水の流れ)を保たないと充分な効果が得られないことは共通しています。つまり、フィルターのメンテナンスとは流量を保つために行うのが目的の中心となります。
・パイプ・ホース類の清掃・交換
・インペラーの清掃・交換
・水漏れ防止パーツ(Oリングなど)の点検、交換
以上が主な項目ですが、これらはろ材のメンテナンスと同時に行うことがほとんどでしょう。
注意点としては、濾過層内を水道水で洗浄すると表面に付着しているバクテリアを洗い流してしまいますので、小型のフィルターではあまり念入りになり過ぎない方が良いでしょう。
また、ろ材とフィルターのメンテナンスと同時に水換えを行ってしまうと、大量にバクテリアを失う結果になり水質悪化を招くことになりかねませんので、別々の日に行うことがベターです。
フィルターも複数を組み合わせて設置することで効果を上げることが出来ます。
また万一、どちらかのフィルターが止まった場合の保険にもなりますので、そうゆう理由でもなるべくフィルターは複数設置が望ましいと思います。
オプション類も相性の理解や、使用する目的を持つことで効果的になります。
よくあるのが何となくストレーナースポンジを付けて、いつの間にか苔だらけでヘタリ切っているパターンです。あるいは、ポンプの力が弱い外掛けフィルターに目の細か過ぎるスポンジを付けて、水を吸い上げにくくしているパターンです。
そのせいで流量が低下していたら本末転倒ですよね。
全体的なバランスを考慮することはもちろんですが、メインフィルターの弱点を補強するのがセオリーかと思います。その他に重宝するのは一時的に化学ろ材を入れられるタイプのフィルターが大変便利です。
例えば、外部フィルター&水中ポンプフィルターの組み合わせは私もメイン水槽で使用しており、普段はろ材を入れるスペースにボールろ材を入れていますが、水質調整など必要時にはソイルやゼオライトに入れ換えたりします。また、ディフューザーを付けて溶存酸素を高めるようにしています。
外部フィルターは酸素が溶け込みにくい構造ですし、ろ材の交換も非常に手がかかりますので、それを補うようにしている訳です。
フィルターだって、い~ろいろ苔まみれるの♪
ここまで濾過とろ材、そしてフィルターのお話をさせて頂きましたが、思いのほか長くなってしまいましたので今回はここまでとさせて頂きます。毎度長文・駄文にて大変申し訳ありません。
次回は、タイトル通りコリドラスに適した濾過ってなんだろう?という点について、私の実例も交えながらお話させて頂こうと思います。
フィルター選びやろ材の組み合わせ方法は、結局のところ十人十色です。
世の中にあるアクアリウムが全て同じものではないのですから、ご理解頂けると思いますが、それは幾つもの可能性があると言うことで、決して初心者の方を突き放しているつもりはありません。私も最初は誰かの真似を始めることからスタートしました。
その後、経験を重ねながら、裏打ちされる知識と照らし合わせて、現在も試行錯誤を続けている次第です。ですので、一概にこれが正解です!とは言えませんが、ある程度の基本や基準となるものは存在しますので、お話の中でそれをお伝えすることが出来たなら嬉しいことです。
濾過についてもっと詳しく知りたい方はこちらへGo!
⇒「種類別でおすすめ!熱帯魚の水槽のろ過フィルターとろ過材!」http://xn--q9ja2e8c2581adqyab74d.com/2016/07/01/%E7%A8%AE%E9%A1%9E%E5%88%A5%E3%81%A7%E3%81%8A%E3%81%99%E3%81%99%E3%82%81%EF%BC%81%E7%86%B1%E5%B8%AF%E9%AD%9A%E3%81%AE%E6%B0%B4%E6%A7%BD%E3%81%AE%E3%82%8D%E9%81%8E%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%AB%E3%82%BF/ もの凄い情報量ですぞ!
cory-paradiseは『熱帯魚なめんな!』を応援しています
それではまた。Moimoi!
皆さん、ハンバーグお好きですか?
もちろん私も大好きです。特にチーズinハンバーグがお気に入りなのですが、以前にガ〇トで注文したらチーズが入っていない事がありました。
これは交換してもらおうと思ったのですが、ふと目についた付け合わせのポテトサラダを見てひらめいたのです。ポテトinハンバーグにしたら美味しいのではないか!?
結果は・・・うん、ポテトサラダはそのままがよいです。何事にもセオリーがあるのですね。
それでは本題へどうぞ。
濾過とろ材の種類を知ろう
まずは改めて、アクアリウムにおける濾過とは何か?
ご一緒に確認していきましょう。
物理濾過(使用ろ材:ウールマット・スポンジなど)
繊維が網の目状のろ材を用いて、主に目に見える位の大きさのゴミを物理的に取り除く方法。
生物濾過(使用ろ材:リングろ材・ボールろ材など)
主にフィルター内に設置したろ材を住み処として定着した好気性バクテリアの働きによって、水中の有害物質や有機物を分解する方法。
化学濾過(使用ろ材:活性炭・ゼオライトなど)
水のにごりや黄ばみの原因物質を吸着する機能を持ったろ材を用いる方法。
大別するとこんな感じですね。
ポイントは使用するろ材の種類によって濾過の方法と働きが異なる点であり、フィルターの種類によって異なる訳では無いとゆうことです。目的とする濾過方法と合致したろ材を使用すること、また必要に応じてろ材を変更または組み合わせる事が効果的と言えます。
ろ材も、いろいろ♪
ろ材の中には、複数の濾過機能を持ち合わせた物もあります。
・ストレーナースポンジ、粗目スポンジ、リングろ材⇒物理濾過と生物濾過
・ソイル、ゼオライト⇒生物濾過と化学濾過
特にソイルは底床が本来の役割ですが、後で紹介する底面フィルターでは優秀なろ材となります。
その機能や特性は多くの生体や水草にとって有益なものであり、極めて優秀です。そのため底面フィルター以外でも「ろ材」として活用されることも少なくありません。
では、どれが一番重要か?
私のような飼育スタイルでしたら生物濾過だと思いますが、正直なところケース・バイ・ケースとしか言えません。3種類の濾過方法を組み合わせて、混合的に使うのが妥当と言えるでしょう。
むしろ重要視すべきは、単にどれが良いかではなく、濾過に関するある程度の知識と理解を持っていないと、メンテナンスの部分で大きな間違いを犯す可能性があるとゆうことです。
メンテナンスの必要性を知ろう
生物濾過は好気性バクテリアの住み処となるろ材の量、濾過容積(濾過面積)に大きく影響を受けます。単純に大きい方が濾過能力は上がる訳です。
また、好気性とは酸素を好む(必要とする)バクテリアのことを意味しており、水の流れがある場所により多く定着・繁殖します。逆に酸素を必要としない嫌気性バクテリアは水の流れが停滞し汚れがたまり易い場所に定着・繁殖し、場合によっては病気の発生原因にもなり得ます。
つまり、使用するろ材を最大限に生かし効果的に生物濾過を行うためには、好気性バクテリアが好む環境を維持するとゆうことになります。
そして、物理濾過にも化学濾過にも同様の事が言えます。
効果的な濾過を行うためにはどのようなろ材でも必ずメンテナンスが必要であり、使用期限(耐用年数)によって交換も必要だとゆうことを覚えておいて下さい。
ウールマット・スポンジなど
素材が痛んでくると効果が落ちたり、汚れが溜まると目詰まりを起こす。フィルターの流量低下の原因として大半がこれに該当するので定期的な交換が必要。
リングろ材・ボールろ材など
半永久的に使用できる素材が多いが、形状が崩れたり割れたりしたら交換することもある。また汚れが溜まると目詰まりが起きて効果が下がったり、最悪の場合、酸素が供給されずバクテリアの大量死滅と共に環境の突然崩壊もありうる。
活性炭・ゼオライトなど
効果のある期間は短く、1か月~半年程度のものがほとんど。推奨期間を超えると吸着力の低下のみならず、逆に吸着した有害物質を吐き出して環境悪化を引き起こすこともある。
ろ材だって、い~ろいろ都合があるの♪
さて、ちょっと怖いお話をしましょう。もし、ろ材のメンテナンスを怠った場合どうなるのか?
もちろん皆さんお気付きとは思いますが、最悪のシナリオはこうなります。
・化学濾過のろ材が、使用期限を越えることで効果が無くなります。
・スポンジ類やリングろ材などに徐々に汚れが溜まり、目詰まりを起こします。
・水の流れが悪くなることで酸素の供給量が減り、バクテリアが徐々に死滅していきます。
・バクテリアの死骸が水中に漂いますが、分解する濾過能力はもうありません。
・化学濾過のろ材が有害物質を吐き出し続けます。
そして、ある日突然、急激に環境は悪化し生体は全滅・・・。この過程は条件さえそろえば1~3日で充分に完遂されます。怖いですね。
ぢゃあ、いつメンテナンスしたらいいのか?
「今でしょう?」
・・・と言うのは冗談ですが、一応の目安はあります。
①化学濾過のろ材は使用期限を守る
②フィルターの流量(水の勢い)に注意する
③白くて細かいゴミが浮遊していないか注意する
④水の濁りや臭いが出ていないか注意する
こう言った事を日常的に意識して観察することで、そろそろメンテナンスが必要かどうかを判断することが出来ると思います。
フィルターの種類を知ろう
さて、濾過とろ材の特性を理解し、選択さえ間違わなければフィルターは何でもよいのでしょうか?
いえいえ、実際にはそうではありません。
フィルターも、いろいろ♪
それぞれが構造上の違いから、スペックも得意とする濾過の種類も異なります。そして、使用出来るろ材の種類も量も様々です。ここからは代表的な6種類のフィルターについて、それぞれの特徴を確認をしていきましょう。
レビューは★5つで満点です。あくまで個人の意見ですのでご参考までに。
【外部フィルター】
物理濾過:★★★★
生物濾過:★★★★★
化学濾過:★★★
静音性:★★★★
メンテナンス性:★★
総評:どのサイズの水槽にも対応できるラインナップがあり、総じて濾過容積が大きく生物濾過を得意としています。また汎用されるリングろ材は物理濾過能力も兼ねているので、ストレーナースポンジを併用するなどの工夫次第で物理濾過を強化することも可能です。どれも平均以上の能力を持っており、現在では主要なメインフィルターとも言えるでしょう。
フィルター内を流れる水が空気と触れることが無いので、添加した二酸化炭素が逃げにくく水草をメインとした水槽であれば必須とも言えます。逆に言えば、生体メインの水槽なら何らかの方法で水中の溶存酸素を補わなくてはならない場合もあります。
目立ったデメリットが無く、豊富なパーツ類を使用すれば弱点を補うことも可能です。あえて挙げるとすれば価格が高めであること、初心者には設置やメンテナンスがやや困難であることがデメリットかと思います。
【上部フィルター】
物理濾過:★★★★
生物濾過:★★★
化学濾過:★★★
静音性:★★
メンテナンス性:★★★★
総評:古くからアクアリウムで使用されており、長い間基本的な構造は変化しておらず信頼性と実績は高く評価できます。初心者に推奨される60cm規格水槽セットに付属しているフィルターとしての販売例も多いです。
濾過容積が比較的広く、またろ材の組み合わせ次第で強化したい濾過を変更出来ます。構造上、水が空気に触れやすく水中の溶存酸素を上げることも期待出来ますので、生体メインの水槽や大型魚飼育に向いています。メンテナンスもふたを開ければ簡単にろ材の状態を確認したり、交換することが出来ます。
デメリットは水槽の上部半分を覆ってしまうため、水槽内に手が入れづらいこと、使用するライトの選択肢が低いこと、水と空気が触れる構造上で添加した二酸化炭素が逃げやすく水草の育成には向かないこと、枠なしの水槽には設置できないこと、小型水槽向けの商品がほぼ無いことでしょう。
【底面フィルター(エアポンプ使用)】
物理濾過:★★
生物濾過:★★★★★
化学濾過:★(ソイル使用時:★★★)
静音性:★
メンテナンス性:★★
総評:すのこ状の本体に底床をかぶせ、砂利やソイルをろ材として活用する特殊な濾過構造をしています。そのため濾過面積が広く、極めて高い生物濾過能力を持っています。水を循環させる方法としては、エアポンプを使用することが一般的ですが、水中ポンプを使用する例もあります。
導入コストが安く、シンプルな構造で設置も容易ですが、正しいメンテナンスの実施と濾過構造の理解がないと充分な効果が期待できず、環境の崩壊をも引き起こすリスクもあります。そのため少なくとも1年に1回はリセットが必要な場合もあります(ソイル使用時は期間が異なる場合もあります)SHOPで多く使用されていますが、上記の理由から初心者向きとは言えません。
【外掛けフィルター】
物理濾過:★★
生物濾過:★
化学濾過:★★
静音性:★★★
メンテナンス性:★★★
総評:小型水槽にマッチするフィルターです。現在では最も豊富なラインナップを持っているのが特徴です。コンパクトで扱いもシンプルなのでメンテナンスは簡単です。稼働音の小ささは外部フィルターに次いで静かです。
メーカー推奨の交換ろ材を使うのであれば、物理濾過と化学濾過がメインになります。生物濾過に関しては、ろ材を丸ごと交換してしまうため、ほぼ期待できません。全体的に濾過能力は低めです。
その他、水槽内に垂直に水が落ち込むため水流が強すぎてしまうこともよくあります。カスタマイズ例もよく聞きますが、失敗すると逆効果になり兼ねません。私も失敗に失敗を重ね、改造は諦めました。
【スポンジフィルター(エアポンプ使用)】
物理濾過:★★
生物濾過:★★★
化学濾過:★
静音性:★
メンテナンス性:★★★
総評:底面フィルターと同じくエアポンプで水を循環させる構造が主流です。しかし、ろ材はスポンジのみなので濾過能力はそれほど高くありません。また、目詰まりも起こり易いです。
推奨される使用法として、スポンジを2個装着できる商品を選び、片方ずつメンテナンスすることで濾過能力と水質の急激な変化を緩和することができます。小型水槽での繁殖、育児に向いています。また、エビの飼育に利用されている例も多いです。充分な観察をしながら適時水換えを含めた水槽全体のメンテナンスが可能であれば、使い勝手の良い面もあります。また最近ではカスタマイズパーツが販売されており、サブフィルターとしても優秀と言えます。
【投げ込み(ぶくぶく)フィルター(エアポンプ使用)】
物理濾過:★★★
生物濾過:★★
化学濾過:★★★
静音性:★
メンテナンス性:★★★
総評:構造自体は底面フィルター等と同様にエアポンプで水を循環させます。小型でシンプル。超ロングセラーを誇る商品もあります。
金魚の飼育セット水槽に付属していることが多いですが、単体での能力は決して高くはありません。しかしサブフィルターとして用いることで糞やゴミの回収、一時的に中身を化学ろ材に入れ替えて水質調整したりする時に大変重宝します。
フィルターメンテナンスの必要性を知ろう
フィルターの種類は様々ですが、一定以上の流量(水の流れ)を保たないと充分な効果が得られないことは共通しています。つまり、フィルターのメンテナンスとは流量を保つために行うのが目的の中心となります。
・パイプ・ホース類の清掃・交換
・インペラーの清掃・交換
・水漏れ防止パーツ(Oリングなど)の点検、交換
以上が主な項目ですが、これらはろ材のメンテナンスと同時に行うことがほとんどでしょう。
注意点としては、濾過層内を水道水で洗浄すると表面に付着しているバクテリアを洗い流してしまいますので、小型のフィルターではあまり念入りになり過ぎない方が良いでしょう。
また、ろ材とフィルターのメンテナンスと同時に水換えを行ってしまうと、大量にバクテリアを失う結果になり水質悪化を招くことになりかねませんので、別々の日に行うことがベターです。
複数設置や、オプション類の効果を知ろう
フィルターも複数を組み合わせて設置することで効果を上げることが出来ます。
また万一、どちらかのフィルターが止まった場合の保険にもなりますので、そうゆう理由でもなるべくフィルターは複数設置が望ましいと思います。
オプション類も相性の理解や、使用する目的を持つことで効果的になります。
よくあるのが何となくストレーナースポンジを付けて、いつの間にか苔だらけでヘタリ切っているパターンです。あるいは、ポンプの力が弱い外掛けフィルターに目の細か過ぎるスポンジを付けて、水を吸い上げにくくしているパターンです。
そのせいで流量が低下していたら本末転倒ですよね。
全体的なバランスを考慮することはもちろんですが、メインフィルターの弱点を補強するのがセオリーかと思います。その他に重宝するのは一時的に化学ろ材を入れられるタイプのフィルターが大変便利です。
例えば、外部フィルター&水中ポンプフィルターの組み合わせは私もメイン水槽で使用しており、普段はろ材を入れるスペースにボールろ材を入れていますが、水質調整など必要時にはソイルやゼオライトに入れ換えたりします。また、ディフューザーを付けて溶存酸素を高めるようにしています。
外部フィルターは酸素が溶け込みにくい構造ですし、ろ材の交換も非常に手がかかりますので、それを補うようにしている訳です。
フィルターだって、い~ろいろ苔まみれるの♪
あとがき
ここまで濾過とろ材、そしてフィルターのお話をさせて頂きましたが、思いのほか長くなってしまいましたので今回はここまでとさせて頂きます。毎度長文・駄文にて大変申し訳ありません。
次回は、タイトル通りコリドラスに適した濾過ってなんだろう?という点について、私の実例も交えながらお話させて頂こうと思います。
フィルター選びやろ材の組み合わせ方法は、結局のところ十人十色です。
世の中にあるアクアリウムが全て同じものではないのですから、ご理解頂けると思いますが、それは幾つもの可能性があると言うことで、決して初心者の方を突き放しているつもりはありません。私も最初は誰かの真似を始めることからスタートしました。
その後、経験を重ねながら、裏打ちされる知識と照らし合わせて、現在も試行錯誤を続けている次第です。ですので、一概にこれが正解です!とは言えませんが、ある程度の基本や基準となるものは存在しますので、お話の中でそれをお伝えすることが出来たなら嬉しいことです。
濾過についてもっと詳しく知りたい方はこちらへGo!
⇒「種類別でおすすめ!熱帯魚の水槽のろ過フィルターとろ過材!」http://xn--q9ja2e8c2581adqyab74d.com/2016/07/01/%E7%A8%AE%E9%A1%9E%E5%88%A5%E3%81%A7%E3%81%8A%E3%81%99%E3%81%99%E3%82%81%EF%BC%81%E7%86%B1%E5%B8%AF%E9%AD%9A%E3%81%AE%E6%B0%B4%E6%A7%BD%E3%81%AE%E3%82%8D%E9%81%8E%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%AB%E3%82%BF/ もの凄い情報量ですぞ!
cory-paradiseは『熱帯魚なめんな!』を応援しています
それではまた。Moimoi!
スポンサーリンク
[8]返信
cory-paradise
2017年12月23日
>>7 みやや さん 濾過を強めるか、水換えとメンテでいくか、中間で妥協するか。選択はそれこそ幾通りもありますから悩みは尽きませんね。でも、考えている時間も楽しいのものですね。 確かに濾過を追加した途端に調子が良くなったりしますねー。本当にバランスをとるのは感覚頼りなところがありますね |
[7]返信
みやや
2017年12月22日
確かに飼育環境にかなり影響されるからそれぞれの維持に合わせたスペックになるのでなかなか感覚的な話になりますね! うちは外部でしたが容量の大きい上部を追加で設置後は割りと安定してます。 やはり生体数と濾過槽の循環とのバランスは大事だなぁーと生体メインの水槽では特に感じました! |
[6]返信
cory-paradise
2017年12月21日
>>5 ちゃーりー さん 水質調整と浄化、でもってリスク分散を考えると2系統の方が断然有利ですよね。ある程度サイズのある水槽でないと弊害もありますが、役割分担させる方がメンテも楽ですしね。 |
[5]返信
ちゃーりー
2017年12月21日
>>4 cory-paradise さん 1つの水槽に濾過は2系統 私もこれには大賛同しますね(・∀・)ウチもですし |
[4]返信
cory-paradise
2017年12月20日
>>3 ちゃーりー さん 散々悩んで、後から連結・・・。あるあるですね。ww 私も立ち上げ時にはどうすれば低コスト、省スペースで効率の良い濾過が出来るか悩みます。最初のころは大型フィルターでがっつりって考えていましたが、最近は複合型でリスク分散することが多くなりました。 |
[3]返信
ちゃーりー
2017年12月20日
私的に、水槽立ち上げ計画で1番悩むのが濾過の事(-ω-;) 散々悩んでやっと決まって立ち上げて... 暫くするとどんどん連結しちゃう病w |
[2]返信
cory-paradise
2017年12月20日
長文お読み頂いてありがとうございます。 確かにやってみて初めてわかることもあるんですよね。私も失敗は数知れずです。基本が全てではなく悩みながらのアイデアや創意工夫も大切と思いますが、スタンダードの経験からの積み重ねがないと応用も効果的にはならないと思っています。 |
[1]返信
もちもち
2017年12月19日
濾過も悩みますよね~(;´Д`)2213を買って最初の頃付属してたろ材入れてもスカスカしすぎじゃない?と思ってウールマットを畳んで入れてみたら水量がガタ落ちしてびっくりしましたwやっぱり程々が良さそうですね(*´∀`*) |